2022/02/11 15:20

伊豆高原別邸リフォーム第四回は、「家具」についてです。


普段は、商業ブランドやホテルなど法人物件の特注家具やコーディネート、個人邸の家具やインテリア提案を主軸にお仕事していますが、プチリフォームのご提案お仕事がここ数年増えてきています。


一言で家具といっても様々。。

椅子やテーブル、照明などの簡単に買い替え可能な「置き家具」

キッチンや洗面など、水道、ガス、設備工事が絡む「住宅設備家具」

壁と壁の間にぴったり作る「造作家具」など。。。


一般的にこれまでは「置き家具」は家具屋、「住宅設備家具」はキッチンメーカーや工務店、「造作家具」は工務店か(こだわる方は)家具屋、と暗黙の分業になっていました。


でもここ最近は、お施主様も雑誌やNETなどですごく良く情報収集されている事が多く

工務店さんでは手に負えなそうだからと、「住宅設備家具」や「造作家具」のお話を多く頂きます。


ここで問題なのが、工事との絡みです。


内装工事着工から完了までの期間で、壁と壁の間にぴったりサイズの造作家具などを作る場合、壁がまだ出来ていない事が多々あり、仕上がりの前に採寸して仕上がり予定寸を「予測して」家具製作寸法を決定するのですが、毎回ここが神経擦り切れます。


そんな事は気にせず、簡単に納品出来るように隙間を多く取って作り始めれば楽なのですが、結果美しくないのです。

誤魔化す方法も、先人の知恵として様々あるのですが、やはりぴったりには敵いません。



そんなこんなで、今回のリフォームもたくさんハラハラしながら、最終的にはピッタリと納めることができたので安堵しました。


ピッタリ納めるのが難しい「住宅設備家具」や「造作家具」ですが、これらは360度全方向からは見えないので、デザインのバランスを取る事はそれ程難しくありません。


でも「置き家具」はデザインだけでなく、空間や導線や佇まいなどなど、様々は要素を絡めながらゼロから考えて行くので、さらに難しいのです。この話はさらに長くなるのでいつか機会があるときにでも



3mのテーブルにアイアンと真鍮が美しいチェア。壁面造作家具はピッタリと納まりました


ラウンジのメインソファ。色はお施主様こだわりのブルー系で、数十枚の生地サンプルからこちらに決定しました



空間に調和するように、アンティークのアームチェアの生地をリネンに張り替え、補修を施しました


洗面台の脚もスクエアのミラーも特注。タイルもお施主様と一緒に選びました


プライベートのシュークローゼット。ベンチのチェック生地はロンドンから取り寄せたもの。真鍮のコートハンガーも特注にて